親種と小麦粉・水・砂糖・塩を合わせて発酵させ、仕上げ種を作ります。

加水率55%の仕上げ種(パン生地のような硬さ)はフランスパンやクロワッサンなど幅広く利用できます。卵やバターを加えるとバリエーションが広がります。


加水率55%の仕上げ種

  • パンを作る前日に作ります。一晩保冷するとパン作りの発酵が順調になります。保冷で3日ほど日持ちします。
  • 種継ぎして1週間(冬季は10日くらい)の熟成した親種を使います。

作り方:

  1. 基本割合  
    親種75 : 強力粉50 : 砂糖3 : 塩1 : 水30

    例:親種150g、強力粉100g、砂糖6g、 塩2g、水60g
  2. 水に砂糖と塩を溶かし、小麦粉を入れて軽く捏ねます。
  3. 清潔なビニール袋に入れて、膨張する余裕をもって口を縛ります。
  4. 温かい場所で(20℃~25℃ー8~10時間くらい。夏は4時間くらい。)大きな気泡が出来るまで発酵させます。
  5. ガスを抜いて、口を結んで、一晩保冷・熟成させてパンを仕込みます。

  ※1日に1回ガスを抜いて、空気にふれさせるようにすると数日使えます。


その他、
  • 自然発酵種の酸味・香りの個性を出す割合
    親種150g、小麦粉50g、砂糖4.5g、塩1.5g、水30g
  • 個性を出さない割合
    親種150g、小麦粉600g、砂糖21g、塩6g、水360g 
    ※パンを仕込む前にさらに3時間ほど暖かい場所に置いて追熟させると順調になります。

※親種30gに対して小麦粉10g~120gの範囲内であればパンになります。


仕上げ種の出来上がりの目安

  • 充満したガスが鼻をつくような刺激臭(炭酸ソーダのような感じ。)
  • 発酵不足だとカビ臭がするときがあります。雑菌の繁殖を抑制するために、よく発酵させます。
  • よく発酵した種を使うとパン生地がしっかり繋がってべた付きません。
  • 発酵させすぎた種も未熟な種もパンに酸味が出ます。
    丁度いい加減をマスターしましょう。
  • 一晩保冷すると香りのいいパンになります。
  • 日が経った仕上げ種を多く配合すると生地の繋がり、膨らみ、味が悪くなります。下記の仕上げ種の使用量の目安を参考に作ってください。
  • 放置すると酸味が付いたり酢酸エチル臭が付いたりするときがあります。
  • 30℃以上の夏場は冷水を使用したり、2時間ほど仕上げ種を冷やしてから常温で発酵させると上手くいきます。
    ※高温に放置するとハンゼヌラ菌が繁殖して酢酸エチル(セメダインのような匂い)が付くときがあります。使用できません。破棄してください。

加水率55%の仕上げ種の使用量の目安
フランスパン=小麦粉300gに対して80g~100gの仕上げ種

山形パン=小麦粉400gに対して100g~150gの仕上げ種

角食パン=小麦粉300gに対して150gの仕上げ種
メロンパン=小麦粉250gに対して250gの出来立ての仕上げ種
※仕上げ種の割合が多いパンは出来立ての仕上げ種を使います。詳しくは、それぞれのレシピへ