夏の暑い日、ビニール袋で仕上げ種を仕込んで温度の高い場所に放置しておくとセメダインのようなシンナー臭がつくときがあります。冬にそうなることはありません。どうしてなのか、ずっと気になっていました。
新型コロナウイルスでアルコールに関する記事がネットに上がってきて、いつくか読むうちに、この謎が分かってきました。
アルコールを長期間使った環境下でPichia anomala(ハンゼヌラ酵母菌)が繁殖して酢酸エチルを生成、シンナー臭が発生するのだそうです。
仕上げ種の場合、発酵が進んでアルコール化してビニール袋の中で一時的にこの状況が作り出されたのでしょう。
猛暑時に仕上げ種を仕込むときは冷水を使って仕込み温度を下げて、できるだけ涼しい場所で発酵させて、発生したガスを抜くとシンナー臭を防止できます。
いまやアルコールはウイルス撃退でなくてはならないものになりましたが、無敵のように見えるアルコールにつく菌がいるんですね。
酢酸エチルが付いた食品はシンナー臭が強烈でクレームが多いようです。
毒性はないという人もいましたが、万が一を考えて破棄が賢明だと思います。